「第四回 酒折連歌賞」 100選
 
 第四回酒折連歌賞問いの片歌

1、まっしろいいちまいの地図かばんにつめて

2、並木道遠い予感にさそわれて行く
3、陽だまりのホームに汽車が旅立ちを待つ
4、砂山の砂のトンネル置きざりのまま

※下記100選の 問番号と連動しています。

問番号 答えの片歌 都道府県 氏名 年齢 性別
大賞 1 父と見たあの朝焼けがぼくのコンパス 静岡県 山下奈美 30
佳作 3 透き通る羽をたたんで君は乗り込む 千葉県 斉藤まち子 48
佳作 3 夢という人それぞれの心の駅に 山梨県 河西京祐 16
佳作 3 銀色のひかりの粒子車輪に集め 神奈川県 須永由紀子 59
アルテア賞 最優秀 1 積乱雲銀のレールは空へのびゆく 鹿児島県 森田優子 30
アルテア賞 1 炎天の青のあしもと風を切りゆく 和歌山県 東香奈 18
アルテア賞 1 カブトエビ小さい体古い歴史だ 山梨県 久保田俊介 10
アルテア賞 1 空色の、風琴の音に、自由求める 山梨県 佐藤秀貴 16
アルテア賞 2 木もれ陽に見え隠れする麦藁帽子 山梨県 大塚美都 12
アルテア賞 2 そよかぜよ大人に変わる瞬間をください 福岡県 正寳愛子 18
アルテア賞 3 ふりそそぐひかりはあの日の手紙のようで 茨城県 小野由美子 21
アルテア賞 3 風船が空にぽっかり時間をとめる 鹿児島県 杉村幸雄 76
アルテア賞 4 想い出がゆびにこぼれる砂あたたかく 山梨県 佐藤章子 39
アルテア賞 4 夕焼けに染まりゆく街駆け抜ける君 福岡県 松崎加代 17
入選 1 ききにいく。海、恋、桜まじりあう日に 静岡県 萩原朝子 27
入選 1 どこまでも行ける気がした夏空の下 東京都 茶郷葉子 29
入選 2 そよかぜよ大人に変わる瞬間をください 福岡県 正寳愛子 18
入選 2 今もなお空席ひとつ名画座の椅子 千葉県 矢野千恵子 55
入選 2 透き通る風のヴィオロン何処かで鳴った 茨城県 羽生朝子 40
入選 2 どこからか幼き我を呼ぶ声がして 兵庫県 多田有花 42
入選 3 行き先は雲の切れまのお日さまの町 山梨県 安井華奈子 11
入選 4 みんながね寝しずまる頃汽車が通 るよ 栃木県 矢吹泰子 21
入選 4 夕立に睫毛を濡らし虹を見ていた 神奈川県 福田正彦 66
入選 4 こっそりと私の夢をくぐらせて朝 東京都 川口一朗 43
次点 1 ふわふわと風の形に歩いてみたい 神奈川県 北村純一 57
次点 1 天空で国境の無き世界を造る 山梨県 中西知恵能 82
次点 1 夏空に万華鏡立てぐるりと回す 静岡県 川村學 69
次点 1 ユトリロの祈りの街の顔をさがしに 東京都 竹村典子 73
次点 1 羽化せむとゆめのつづきの蒼き野をゆく 石川県 P.N.甘井菓太朗 29
次点 1 化石ほりトリケラトプス見つけた学者 山梨県 久保田俊介 10
次点 1 靴紐を結ぶその手に明日が輝く 山梨県 津野智子 15
次点 1 創りゆく地図の形は風を頼りに 山梨県 深澤栄里奈 16
次点 1 振り返るヴァーミリオンに染まった町を 山梨県 赤松美和 16
次点 1 夏のにおい呼ばれた私は今鳥になる 山梨県 雪下玲奈 15
次点 1 潮満つるあかときの世に嬰児生れし 山梨県 秋山かね子 63
次点 1 あの人と青空の下綴っていこう。 山梨県 奈良麻由子 16
次点 1 わたくしの輪郭なぞる風と旅する 富山県 若林玲子 44
次点 1 生かされしわが身の色を風にきく旅 神奈川県 上鉄穴修二 53
次点 1 朝風と檸檬かた手に汽車に飛び乗る 愛知県 大寺孝子 52
次点 1 群青の風に吹かれる旅人となる 青森県 成田實 47
次点 1 君と会い二枚の地図が重なる日まで 東京都 P.N.あをくちば 31
次点 2 そよ風が耳打ちをする恋の始まり 千葉県 普川洋 63
次点 2 ヒロインの姿消えても奏でるチター 福岡県 武藤義昭 66
次点 2 あの人を止める言葉は出てこなかった 福岡県 福井絵里加 23
次点 2 はらはらとあなたの言の葉わたしにつもる 和歌山県 浦千春 42
次点 2 老夫婦語らなくてもいい秋の旅 山梨県 室井睦美 66
次点 2 木もれ陽に見え隠れする麦藁帽子 山梨県 大塚美都 12
次点 2 いつもよりすまして歩く大人のように 山梨県 内藤有紀 15
次点 2 クレヨンの透明色を探し求めて 山梨県 中川尚樹 15
次点 2 孤児があわい期待を小さな胸に 山梨県 由井康太 15
次点 2 木もれ日の輝くダイヤ手に受けとめる 山梨県 宇津さおり 16
次点 2 アカシアの花散る午後の指切りげんまん 山梨県 田中葉子 70
次点 2 松籟は潮騒となり海見えてくる 愛知県 間瀬妙子 63
次点 2 会いたいね一歩先行く吐息がささやく 山梨県 野沢たまみ 17
次点 2 花びらが祈りのように降りしきる街 東京都 松本春佳 23
次点 2 胸中の人に火の橋かけたくなりて 熊本県 金栗片詩 80
次点 2 飛行船ふと現われて空の広がる 愛知県 伊藤紘美 58
次点 2 こっちだよ2人を呼んだ未来のベイビー 山梨県 金子裕美 18
次点 2 鳥たちが遠い道のりおしえてくれる 山梨県 坂本美奈 14
次点 2 あたたかな家族の中で眠りたい犬 山梨県 伊藤千恵美 48
次点 2 かさひくくなりたる母の車椅子押し 大阪府 平野理一 67
次点 3 忘れない記憶をひとつベンチに残す 長野県 山崎高弘 39
次点 3 出征の父が車窓に笑みし日想ふ。 山梨県 古屋レイ子 61
次点 3 いくたびも友を見送り故里に老ゆ 新潟県 阿部昌彦 69
次点 3 そつと来て誰を見送るつもりか秋は 宮城県 原田夏子 81
次点 3 抱き合ひて見慣れし景を歪ませてゐる 兵庫県 松下弘美 40
次点 3 胴上げの青年の腕日輪を抱く 島根県 安達美那子 62
次点 3 誰ひとり、来るはずもない廃墟の中で 兵庫県 小畠孝之 47
次点 3 端役には誰でもなれるドラマの開始 秋田県 大山真咲 45
次点 3 吸い込んだ風に体が透明になる 山口県 P.N.細谷京加 31
次点 3 乗り換えあり途中下車あり長き旅路に 山梨県 P.N.蒼夜幽月 32
次点 3 全速力地平線のはるかかなたまで 山梨県 廣瀬譲 12
次点 3 見送りはモンシロチョウと萠える菜の花 山梨県 笠井麻里子 18
次点 3 さよならはないと信じて故郷をたつ 山梨県 樋口聖子 15
次点 3 振り向かぬ背中を美学と信じ征きし日 埼玉県 當摩八千代 72
次点 3 ここまででいいと少年帽子まぶかに 静岡県 山下奈美 30
次点 3 君にもう二度と会えない二度と会わない 大阪府 田中優子 34
次点 3 君がもういないまちにも雛芥子の花 青森県 成田實 47
次点 3 大丈夫私はきっとしあわせになる 兵庫県 木内美由紀 39
次点 4 岬より沖を見つめて記憶の海へ 山梨県 大島晩輝 69
次点 4 涙拭き去りし少女の麦藁帽子 静岡県 浅原さだ子 76
次点 4 あの頃に戻る列車の時刻表見る 和歌山県 田中すみよ 50
次点 4 思い出の青いシャベルと小さなバケツ 山梨県 丹澤京子 17
次点 4 少年の夢崩しゆく波のいたずら 群馬県 木村和雄 74
次点 4 あの夏に伝えなかった思いが一つ 茨城県 森野瞳 23
次点 4 蝶々と父の背中を追いかけし日々 山梨県 中川尚樹 15
次点 4 月かげに赤い小蟹の隠れんぼする 神奈川県 平沢節子 64
次点 4 待っているおもちゃ箱から飛び出した汽車 広島県 花谷綾 25
次点 4 真夜中に妖精達が静かにくぐる 石川県 角谷晴生 30
次点 4 鉄棒で逆さにのぞくトンネルの先 東京都 石田恵美 27
次点 4 遠ざかる幼き日々の思い出のまち 山梨県 皆川恵子 14
次点 4 夢に見たおもちゃの汽車がその闇を抜け 鹿児島県 杉村幸雄 76
次点 4 過ぎし日の幼き子等の夢のあかしに 埼玉県 渡辺侑 68
次点 4 トンネルで繋いだ想いあの頃のまま 福島県 武藤達也 22
次点 4 寂しさを波が打ち消す夕暮の海 神奈川県 高汐千明 36
次点 4 なにもかも知りすぎた夏遠い雷鳴 兵庫県 辻かよ子 42
次点 4 思い出の時の流れを積む砂時計 北海道 飛塚優 58
次点 4 夕闇に波音だけが時(とき)刻みゆく 大阪府 岩田真智子 36
次点 4 片方の赤い靴だけ波が連れ去る 神奈川県 平井建丸 23
次点 4 星空にあの日の僕を呼ぶ祖母の声 千葉県 春日紡人 24
次点 4 会えばすぐ子どもに還れる時間の不思議 滋賀県 岡田さやか 26
次点 4 母と手をつないで帰る夕焼けこやけ 兵庫県 岩佐浩 42
             
100選の句の総数は 入選とアルテア賞、次点とアルテア賞での重複した受賞作品が2句あったため、
102句で100選となります。
 
第四回酒折連歌賞 総評及び選評

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