その一三五

 

 






 







 








 

夜の色 切り取り線に 沿ってちぎってる 

かなり人見知りする質だなぁと
うすうす気づいてはいたのですが
それでもさすがにその傾向はなくなりました
と油断していたせいで
この間、むかしの癖がまたでてるよと
あぜんとしていたわけです。

生身の人間ならまだアプローチの
仕方があるものですが
相手が新しいパソコンと新しい携帯だったので
ちょっとまいったりしていました。

あたらしいものは形も薄くてちいさいのですが
とってもあたらしいよオーラがでていて
おそるおそるキーボードに触れながら設定したり
おいしそうな携帯の色にとまどいつつ
どう愛でていいかわからないってな感じに陥って。

人もましんも、たぶんあたらしい匂いのするものが
かなり苦手なんですね。
いつもほっとくと煤けたものや古くてほこりにまみれて
いそうなそんな時間を身に纏ったもののほうに
惹かれてゆくみたいです。

母とたとえば俳優談義なんかをしているときも
母はまだふさふさしていた昔のジャックニコルソンが
好きだと云い
私は断然照れ隠さない今で。

ぎらぎらひたひたのひとよりも
しゃらしゃらつやけしのひと。

なんていうか人だともう油落としがいったん済んで
しまっているような人にいいなぁと吸い込まれていって
しまうのはちっちゃい頃から変わってません。

あたらしいパソコンや携帯とはすこしずつ
歩み寄っていけたらいいかなぁと思いつつ。

まだちゃんと捨て切れていない古いパソコンも
ならべておいてあって。
馴染みと新鮮さ。
どっちもいいよねぇ、どっちかなんてむりかも
と優柔不断きわまりない3月のあたまでした。

       
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