その一六〇

 

 





 







 






 

彼方って ウインカーどっち 夢ってどっち

箱根駅伝でランナーたちが駆け抜けていった
遊行寺の坂をゆっくりとくだりながら
初詣にゆく。
この坂を昇ったり下ったりするきのうまで
いたはずの人たちの勇姿に、思いを馳せてしまう。
いまは誰もランナーはいないことがかえって
そこを駆け抜けていった人々がいた人たちのことを
くっきりと浮かび上がらせているみたいで
アスファルトを見る度に不思議な気持ちになる。

家の中にいても沿道で応援している旗の
しゃりしゃりという風にゆれる音や
ヘリコプターや拡声器から聞こえる応援にあたっての
アナウンスなどどれをとっても臨場感いっぱいの
音にあふれていてそれはそれでとても
そのままほんとうのことにちがいない。

だけどこっちに引っ越してきてから、まいとしまいとし
誰もランナーがいなくなったしーんとした坂道を
みているだけでここみんなが走ってたんだって思いが
沸き上がってきて、遅れてきた感動めいたものを
味わいたくなってしまう。

まばらにしか参拝客のいない遊行寺で水占いをした。
鐘つき堂のそばのわき水の中に静かにおみくじを
浸してしばらくすると、文字がうっすらと
浮かび上がってくる。

水占いははじめてだったので冷たい水に指を浸して
未知の言葉が浮かんでいるのを
待っているじかんが妙に楽しかった。
結果はなんだかこころのうちを読まれていたみたいで
ちょっとどきっとしたしたことがふたつほど。

その占いをしたせいなのかどうかわからないけれど
縁起ものだからみたいな感覚でトライしたことで
ちょっとしたビギナーズラックがあって
ちょっとポジティブになれそうな予感のする
なかなか気分のいいお正月でした。

そんなこんなのゆるい年明けでいつもすみません。
これからも気が向いた折にでもお立ち寄り
くださったら幸いです。

どうぞ2007年のうたたね日記もどうぞよろしく
お願い申し上げます。

みなさまにとってすてきな虹があらわれる
一年でありますように・・・。

       
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