その二二〇

 

 







 








 








 

おちてゆく おちてるとちゅう おちてもいいよ

涼しげなものがとても恋しいので
雪の結晶のページを開いた。

ブルーのバックに十六個の雪の結晶の
写真が映ってる。
星形にくびれた六角形がレース模様の
様にみえたり、細長い針状のものが
硝子を切り取ったようにならんでる。

結晶には、赤ちゃん結晶とよばれる
氷晶があるらしく、それは六角形で
たいがいが短い角柱で、それが基本
となってたとえば水蒸気の多さや少なさが
相まって形をかえてゆくという。

空の上の気象条件によって、結晶が
形作られることを改めて知って
みんなおなじじゃないって、風のとおりが
よさそうでいいなとおもう。

物理学者で雪博士の中谷宇吉郎の云った、
<雪は天からの手紙>という言葉が
くるくると地上に舞っている姿を
思い浮かべる。

そのページにはなぜ結晶のいちばんはじめの
形の角や柱の数が<六>なんでしょうと
いう問いが投げかけられる。
氷になるときに六個の分子が、つながって
やがて六角形になるということや
その六角形が、てんてんてんと蜂の巣の
ようにつながってゆくのが雪の成長だという
こたえが記されている。

むずかしいことは苦手なのでよくわから
ないけれど、六って手をつなぐのが
じょうずな親しみやすい性質をもったもの
なのかとつらつら思う。
そしてうつくしいかたちというのは
みえない場所でもえいえんのいとなみを
続けているんだなと。

ジンジャーのかき氷をさくさくしゃくしゃく
すぷーんですくうちいさな男の子にみとれてる
江ノ島の夏でした。

       
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