その五四四 |
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え |
偶然を 生きてる猫と 抱擁したよ 大丈夫だろうという思いは、ふしぎなのだけれど。いつも誰かじぶん以外の人につよく思う癖があって。そのときも、大丈夫だよってなんどもそのひとに言っていた。 そんなときに、猫のエッセイに出逢った。猫のエッセイ。 おはぎちゃんときなこちゃんという猫に出逢って、20年という時間を奥様と共に過ごしている時間が描写されている。<たまたま>拾った猫と<たまたま自分の人生を生かされている>ことに気づき、たまたま出逢った猫なのに彼らに<差し出した時間>を誰も<後悔する人がほとんどいない>。彼ら猫たちを<終生かわいがる>それって<猫は人生である>だろうと、やわらかな軌跡を描くブーメランのように読者に問いかけてくる。 もう屈服した。したし、なにかわからないけれどわたしが出会った幾人の懐かしい顔を思い出す。親しいあの人の顔も。それは計画されたものではなく、すべて<たまたま>出会った人たちであったように思う。 思えば、その親しいひとはいつもわたしが悩んでいると<大丈夫よ>と励ましてくれた。 それから数日、やっぱり危うかったけど彼女は大丈夫だった。だからこの猫のエッセイを教えてあげた。 |
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