その六〇四 |
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う |
漂う葉を 拾うように 言葉をひろって ふいに、1月ごろの日記のページをめくっていたら、 疑うって大事なのよって母がよくいう。 たまに、そういうことで喧嘩になるんだよなって思いながら、 言の葉そのものだなって、てのひらに乗っけてみる。 <物事について考えを固めてしまわず、みえているものを疑う これは、米国の作家ポール・オースターの言葉で。 ラジオのリスナーたちとの体験談「ナショナル・ストーリー・ <自分が答えを持つ訳ではない事柄に、人は翻弄されつつ みえているものを、肯定することが、心を開くのではなくて。 日々、みえているものしかみていなかったんだなって、 人も現象も、記事も、小説の言葉も、詩の言葉も。 すこしだけ、あの日からの数か月を取り戻したい。 |
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