その六一六

 

 





 








 

















 

縁あって 家族になった 健やかであれ

今年も終わってゆくなっていう感覚は
いつものことだけど。

今年はなにか特別で。

出会う人がみな、今年がどんなふうに去って
行ったのかわからない、たいして特別なことを
したこともないのにって、挨拶のように
言う。

その人は、いつも宅配を頼んでいる担当の方で
彼らの会社にお世話になるようになってから
かなり生活スタイルは変わったけれど。
ほんとうに助かっている。

たいして特別なことをしたこともないのにって
謙遜されるけど。

一家庭ずつに一度も間違えることなく、欲しい
野菜や食べ物が運ばれてくるってすごいことだと思う。

システムがそうなっているといえばそれだけだけど。
そうじゃない、温かさも彼は運んできてくれるので
そのことも随分と助かっているのだと気づいた。

おかしなことを言うけれど。
わたしは週に一度だけその担当の方と配達してくれる
時にマスク同士で喋る。
おもえば弟よりもよくしゃべっていることになる。

不思議な感覚だ。7か月ほどのつきあいなのに、
もういちどおかしなことを言うけれど。
肉親よりもその担当の方の方が心情的になにか近い。
感じがするときがある。

この間、すきなアメリカのドラマ「POSE」を
観ていたら、

<血縁は家族じゃなく、親族を作る。ファミリーは
善悪や醜さを共有し愛し合う。自分で選ぶものだ>

という言葉に出会った。

ずっと家族についてわたしは心の中でわだかまりが
あるが故にこの言葉を6月のあのさなかで記して
おきたくなったのだろう。

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