その六六三 |
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夕方の 雨のように ゆくりなく降って あなたという言葉。 あなたってあなたじゃないなって遠い気持ちに あなたって誰のことなんだろうって。 短い言葉がすごく向いているのか向いていないのか たぶん、なにか長い間みつけていて探し求めたような 言葉が一番好きで一番憎かったあの頃。 今はその想いはうっすら遠のいて、言葉に 言葉から逃れたいじぶんもかならずここにいます。 今日はお祝いの日だったので、短歌を贈りたいです。 ◆深いしじまのあとぬけぬけとおとこはおこってみせるはればれと◆ ◆不定形なせつなさを掌にゆるくとじてひらいてみせて◆ ◆腕を組んでみないでその腕をすこしほどいてその腕のなかに◆
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