--- 平成二八年 ---

その四四六 初凪や 雲のかたちに こころ動いて 一月七日

その四四七 チューニング ななめにずれて 耳をすませて 一月十五日

その四四八 おしみなく ゆきをふらせて ゆめからさめて 一月二十三日

その四四九 たからぶね 誰かが乗って 誰かが譲る 二月一日

その四五〇 ぬけてゆく 夜と夜の まぶたが閉じる 二月十日

その四五一 いろどりが 移ろってゆく 彼方の景色 二月十七日

その四五二 ひいてゆく 幕の内側 岸辺のむこう 三月三日

その四五三 ちぎれても ちぎれてもまた 浮雲ひとつ 三月十六日

その四五四 いまここに いないだれかを 想う春の日 三月二十九日

その四五五 ゆれてゆく ゆらされてゆく たゆたう時間 四月六日

その四五六 傘の中 お入りなさい ひとりふたりと 四月十八日

その四五七 ぬぐっても ぬぐいきれない しずくのかたち 四月二十七日

その四五八 まっしろい キャンバスのうえ ふれている指 五月六日 

その四五九 ひたむきに駆け抜ける風 ことばをさらう 五月十四日

その四六〇 たましいの ほむらがもえて もえつきてゆく 五月二十五日

その四六一 ゆびさきが 折っているのは あの日の願い 六月四日

その四六二 音の河 さまよいながら ひとりでつかむ 六月十三日

その四六三 ひとにぎり かなしんだあと 夜明けに放つ 六月二十四日

その四六四 路地をゆく 遠すぎるほど 放たれてゆく 七月七日

その四六五 降りしきる 雨音みたいに 問い投げられて 七月十六日

その四六六 ひとつぼし みあげたままの ひとりとひとり 七月二十五日

その四六七 とめどなく 光は咲いて 咲きこぼれてる 八月六日

その四六八 とどかない 火の遠さを こころではかる 八月十八日

その四六九 満月を 指さしながら みている誰か 八月二十三日

その四七〇 ここは空 オーロラがいま 折りたたまれて 九月五日

その四七一 まっしろい ページのすみで 膝を抱えて 九月十七日

その四七二 とめどなく こぼれるなにか てのひらのなか 九月二十六日

その四七三 沈黙が ふたりのあわい つつみこむとき 十月四日

その四七四 天と地を 求めるように 宙を舞う指 十月十七日

その四七五 遠くなる 車輪のわだち 駆け抜けてゆく 十月二十八日

その四七六 アボカドの むかしむかしを 教えてくれた 十一月四日

その四七七 糸と糸 はきだしながら 忘れられても 十一月十五日

その四七八 さしのべる てのひらふたつ あたたかすぎて 十一月二十九日

その四七九 からからの 喉に注がれる 夜明けの水は 十二月八日

その四八〇 ひとしずく うつわをみたす うつつのような 十二月十八日

 


 

 

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