--- 平成三十年 ---

その五一三 聞いていた だれかのことば 耳にとじこめ 一月五日

その五一四 うすい膜 きらきらひかる なやみの素を 一月十六日

その五一五 はじまりも おしまいもみな うそだったって 一月三十日

その五一六 といかけが たたずんでいる 夕暮れ時は 二月六日

その五一七 はじまりの はじまりはどこ? せかいをみてる 二月十七日

その五一八 アボカドの 種をころがす てのひらのなか 二月二十六日

その五一九 煙る春 つかのまの風 つかみそこねて 三月四日

その五二〇 夜色の 蝶がただよう Taxi乗り場 三月十二日

その五二一 アンダンテ 雨だれだけが 窓辺を撫でる 三月二十七日

その五二二 そこにいる 生まれるまえも そこにいたんだ 四月六日

その五二三 ひとひらの ゆめににている ことばがこぼれる 四月十七日

その五二四 ゆるすとか ゆるせないとか 声重なって 四月二十五日

その五二五 リトマスの 色がどっちに ころんだとしても 五月四日

その五二六 ゆめのなか つかまえている 毛むくじゃらの背 五月十五日

その五二七 ささやきが 緑葉をゆらす プロムナードに 五月二十八日

その五二八 どこからか 聞こえる声は まぼろしでした 六月七日

その五二九 おぼろげに 雲がよりそう 満月の夜 六月十六日

その五三〇 リスボンの 路面電車の 音を縫ってる 六月二十七日

その五三一 鳴いている 真夜中すぎの ないちんげーる 七月六日

その五三二 甘い風 とぎれとぎれに 漂いながら 七月十八日

その五三三 ひらかれる 眼と窓と そしてなにかと 七月二十六日

その五三四 いっぽずつ 足をはこんだ あふろなきみの 八月五日

その五三五 南風 のりおくれずに かえってきてね 八月十六日

その五三六 サンダルの すなといっしょに 銀河鉄道 八月二十七日

その五三七 逃げてゆく 手とあしと夏 クロールのまま 九月七日

その五三八 ぼくたちが ここにいること うつつでゆめで 九月十八日

その五三九 ゆきずりの 希望をふいに いだいてみたり 九月二十五日

その五四〇 暮れてゆく 速度はひそかに 転がるように 十月四日

その五四一 月の暈 風がさらった 窓ふくように 十月十五日

その五四二 注がれる うつわのなかで ゆれるミルキー 十月二十八日

その五四三 なにもかも 季節外れの 此岸のここは 十一月七日

その五四四 えらぶって すてることだと だれかがいった 十一月十九日

その五四五 とどかない こころの住処 分け入ってみる 十一月二十七日

その五四六 かみさまの わすれたものが 舌にのこって 十二月十二日

その五四七 過ぎてゆく 時間のしくみ 問いかけられて 十二月二十一日


 

 

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